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元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

思い出の10冊(小学校低・中学年期)

本のこと

幼年期編の続き。

 

小さい頃からぼんやりしていた私は、小学校の集団生活に馴染めませんでした。低学年の頃に「緘黙児」と言われ「言葉の学校」を勧められたそうです。大人になって母から聞きました。この頃の愛読書はファンタジー系のものが多いです。本の世界に逃避していたのかもしれません。

 

 

 1 白いぼうし

車のいろは空のいろ 白いぼうし (新装版 車のいろは空のいろ)
 

学年が変わって新しい教科書をもらうと、すぐに国語の教科書を開いて、その日のうちに読み終えていました。「白いぼうし」という話が、いわさきちひろの挿絵と共に印象に残っています。短編集で、どれもタクシー運転手の松井さんが不思議なお客さんを乗せる話です。続編もでています。「白いぼうし」は、現在も小学4年生の教科書に掲載されているようです。単行本の挿絵は北田卓史で、こちらの絵もいいです。

 

 

2 小さなスプーンおばさん

小さなスプーンおばさん (新しい世界の童話シリーズ)

小さなスプーンおばさん (新しい世界の童話シリーズ)

 

とにかくゆかいなお話で、続編も読みました。たしかアニメにもなっています。当時、学研からは外国の楽しい作品がたくさん出版されていました。岩波の本ほど優等生感がなくて軽快な話が多かった気がします。学研といえば「科学」と「学習」のどちらの雑誌を購読するか毎年悩んでました。読み物は「学習」がおもしろいけれど、付録は絶対「科学」が楽しそうで。たまに両方買ってもらっている子がいて(すごい金持ち)と思ってました。夏休みに別冊?の「読み物特集号」を買ってもらうのも楽しみでした。

 

 

 3 ふたりのロッテ

ふたりのロッテ (岩波少年文庫)

ふたりのロッテ (岩波少年文庫)

 

 ケストナーの作品で一番に読んだのは、「点子ちゃんとアントン」です。隣の家の2つ年上のお姉さん宅に小学館の「世界の童話」という全集があって、しょっちゅうお邪魔して読ませてもらっていました。その中に編集され短くなって収録されていました。学校図書室でケストナー全集を見つけて全巻読んだのは何年生の時だろう。ケストナーの作品では『ふたりのロッテ』が好きでした。

 

 

4 ちいさなロバのグリゼラ

小さなろばのグリゼラ (福武文庫―JOYシリーズ)

小さなろばのグリゼラ (福武文庫―JOYシリーズ)

 

 みなし子のチーノが、お金持ちのおばあさんから小さなロバをもらいます。ロバの名前はグリゼラ。グリゼラにはひみつがあって...…私のハンドル名はこの本からとりました。当時、市立図書館の本を積んだマイクロバスが定期的に家の近くに来ていました。2週間に一度くらい。その時に借りた本です。(こんな動物の友達が欲しい)と強く思いました。挿絵もとてもかわいらしいです。大人になって探して文庫版を買いました。

 

 

 5 かるいかるい王女

かるいお姫さま (岩波少年文庫)

かるいお姫さま (岩波少年文庫)

 

魔女の呪いのせいで体が軽くて宙に浮いてしまうお姫様。性格も軽くなにごとも真剣に考えることができません……主人公のお姫様の性格に難があるのが新鮮でした。現在は岩波少年文庫版が入手しやすいようです。これも最初は図書館のバスで出会った気がします。後に買ってもらいました。

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 後年、挿絵が村上勉さんだと気がつきました。

 

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こんな感じで、本文中にたくさん挿絵が入っています。

 

 

 6 おいしいものさがし

おいしいものさがし (少年少女文学選A)

おいしいものさがし (少年少女文学選A)

 

お城の中で何不自由なく暮らしていた少年ボーンゲーレンは、育ての親である大臣の命を受けて「この世で一番おいしいものはなにか」を国に住むもの全員から聴き取る旅に出ます。彼は旅の間にいろいろな人や人でないもの(小人、人魚など)に出会います。任務は順調にはいかず城の権力争いにまで巻き込まれたゲーレンはなにもかもが嫌になって......という話。いつのまにか本棚に並んでいました。私の父が自分のために買ったようです。父は私が小学生の頃、職場に行けなくなった時期があります。この本のおかげで人の世界に戻ろうと思ったと言っていました。話半分に聞いていましたが、きっかけの一つになってもおかしくはない話です。この話に出てくる吟遊詩人に惹かれ(今でもこんな職業があったら私もなるのに)と思っていました。プロローグ、エピローグがついた作品の構成や「だ、である」調の文体が大人っぽくてかっこいいと感じていました。

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 プロローグの冒頭と終わりの部分です。今読んでもかっこいい。

 

 

7 北風のわすれたハンカチ

北風のわすれたハンカチ (偕成社文庫)

北風のわすれたハンカチ (偕成社文庫)

 

 北風が忘れていったハンカチを耳につめて眠る熊や、鬼の子から(なんてみっともない子だろう)と思われる、痩せっぽちの魔女の娘など、登場人物を思いだすと胸が痛くなるような気持ちになります。収録作「小さいやさしい右手」の、魔物の子供が絶望の果てに光の王子になるというラストに小学生の私は心を鷲掴みにされました。この一冊で安房直子のファンになり、このあと思春期にかけて読みまくりました。

 

 

 8 ゆうかんなちびのしたてや

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グリム童話集のうち、この一冊のみ持っていました。大塚勇三の訳と堀内誠一の挿絵が最高です。大人になってオークションで全巻一括で購入しました。当時、堀内誠一の絵本や児童書をコレクションしている方がいて、面識はないのですがHP上で時折やりとりしていました。古本屋ごっこをしていたのでお客さんとして買ってもらったこともあります。私が落札したあと「ちょうど麻雀しに行ってて入札忘れてた〜」とおっしゃってたっけ。競ってたら絶対入手できてなかったなあ。

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9 わがままいっぱいのくに

   (アンドレ・モーロワ作、榊原 晃三訳/旺文社ジュニア図書館)

 

ミシェールという女の子が、どんなわがままも許される妖精の国に行く話。記憶ではすごく長い話だったのに、大人になって読み直したらあっという間に読み終わってびっくりしました。読むのが速くなるのも良し悪しだなあと損をした気分でした。娘に読ませたくて探しましたが、残念ながら手に入れることができませんでした。面白い話なのに。なぞなぞの答えを求める「ファラオ王」、妖精の国への入国試験を担当する「でたらめカラス」、空の色の羽や魔法の杖をくれる「やさしいハト」、辺り構わず棒でボールを叩いてとばす危険な「ぼうたたきさん」、美しく気儘な妖精の国の女王など、登場人物が盛りだくさんで魅力的です。女王の歌の文句もしゃれています。


 ようせいたちよ、ただひとつのきまりはわたしたちの心のなかにあり、
 それこそ、すべての気まぐれをとりしずめるもの
 なぜなら、かしこいだけは、ばかということ、
 ぎょうぎがよいだけは、ぶさほうだから。

 

 

10 カポンをはいたけんじ 

カポンをはいたけんじ (講談社青い鳥文庫 (61‐1))

カポンをはいたけんじ (講談社青い鳥文庫 (61‐1))

 

 以前、このブログでも触れた本。実はこの地球上にたくさん住んでいる透明人間、ミュータント人の世界に迷い込んでしまった男の子の話。たぶん、はじめて自分で選んで買った本です。私が持っていたのは単行本ですが絶版になり、その後文庫版がでたものの、こちらも今は入手困難のようです。もう一度読みたい。あとがきで紹介されていた詩も誰のなんという詩だったのか確かめたいです。

 

 

番外編

いやいやえん (福音館創作童話シリーズ)

いやいやえん (福音館創作童話シリーズ)

 

 ぐりとぐらシリーズなど「こどものとも」を含む福音館の本はたくさん読みました。でも、3つ下、8つ下の二人の弟がいるので、どの本も自分が何歳の時点で出会ったのかがあやふやです。その中で『いやいやえん』は私が小さかった頃から家にありました。『わがままいっぱいの国』と少し似ていますが、『いやいやえん』のほうが教訓的かも。ミシェールは、大きくなってお利口さんになったあとで(もう一度あの妖精の国にいってみたい)と思うのですが、しげるは「いやいやえん」にもう一度行きたいとは思わないでしょう。

 

幼年期の10冊はこちら

grisella.hatenablog.com