元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

数学は言葉(新井紀子)*読書日記6

結論から言うと、思ったより難しい本でした。対象となる読者は「高校で習った数学を概ね理解している」人だと思います。数1の途中で落ちこぼれた私は基礎知識が足りず、歯が立ちませんでした。

 

例題の数々を何度も何度も読みながら論理を追うのは骨が折れましたが、新鮮で楽しかったです。しかし、それもchapter3までの話。chapter4.2「グラフの違いを数文で表現する」のところで完璧についていけなくなりました。様々な関数のグラフの違いをクリアに表現するには、と言われても、その前提の「関数」が分からないのですから話になりません。

 

結局、chapter4の残りを飛ばして次の章に進みました。この章だけは「東京大学大学院教育学研究科*影浦 峡」という方が執筆しています。英語から日本語への機械翻訳のプロセスを説明してあるのですが……何度読んでも全く意味が分かりませんでした。数式が出てくるわけでもなく日本語で書いてあるのに。ネットで何か助けになる情報がないかと調べたけれどどうにもならず、この章も諦めました。

 

chapter6「証明とは何か」では「証明」や「定理」について、その歴史や考え方が書かれています。三段論法について述べた後に、

10センチメートル四方の正方形に納まるように無限の長さの曲線を描く方法(アルゴリズム)を書きなさい。そして、なぜその方法で無限の曲線が描けるかを証明しなさい。

と言う課題に対して提出された誤答と正答が紹介されています。帰省した息子に色々質問することで誤答と正答の差がようやく納得できました。「ほんの少しの違いで、数文の意味が決定的に違ってしまう」面白さを感じました。

 

chapter7「数学の作文」は「集合と論理」や「証明を書いてみよう」まではついていけました(と思う)が、「数学的帰納法」で躓きました。何度読んでも納得できませんでした。つまり、ここまでの内容もきちんと理解できてなかったということでしょう。chapter7.4からは字面だけを追って読み流した感が強いです。最後にチェックシートがあって、この本で学んだことを振り返ってみるようになっていますが、どれもチェックをつけられる状態ではありません。

 

若い頃から、もっとしっかり頭を使い、知識を吸収してくればよかったと後悔しました。私がこの本をきちんと理解することは今後も難しそうです。諦めてはいないけど。少しずつでも数学を勉強し直してみようと思いました。塾講師をしていたとき、中学生に数学を教えて欲しいと言われて尻込みしたっけ。せめて中学レベルの数学が人に教えられるようになれば、今後の就職にも役にたつかも!?

 

数学は言葉―math stories

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