元活字中毒主婦の身辺雑記

日常の細々したことなど。

ヘルパーになって良かったこと困ったこと、介護福祉士試験に通るまでなど。

仕事が急にキャンセルになったので、ヘルパーの仕事について、つらつら書いてみようと思います。

 

ヘルパーをやって良かったこと

仕事が楽しい

大変なことも多いですが、おおむね仕事が楽しいです。大抵のお宅では「来てくれてありがとう」と感謝されます。自分が役に立っている実感を得られます。それに、私はお年寄りの話を聞くのが好きです。長い人生を送ってこられた方の話は興味深いことが多いです。認知症の方は何度も同じ話をされますが、合いの手をいれながら話をうながしていると、ひょっこり今まで聞いたことがないエピソードが出てきたりして面白いです。

 

仕事をするうえで年齢がハンディにならない。

もちろん体力では若い人にはかないません。ですが、私の職場では70代の方も働いています。私なんかよりずっとさばけてます。先輩ヘルパーには家事全般が得意なスーパー主婦が多くて、正直気後れしてしまいます......。反面、私にもまだ伸びしろがあるんじゃないかと希望も持てます。やる気さえあれば、中年以降も介護技術を磨き、キャリアを積んでいくことができます。

 

家事の段取りがよくなった

例えば一時間でどれだけの掃除をするか、調理をするか。場数を踏むにつれ、どのような作業にどれくらいの時間がかかるかが分かってきました。家で料理や掃除をする場合も、頭の中で段取りを考える癖がつきました。また、制限時間の中で作業をこなすことを繰り返すうちに、手早くなりました。

 

同僚とのいざこざが少ない

基本的に、利用者宅に一人で行って帰って来るので、職場のいさかい的なものが起こりにくです。私は人間関係のトラブルに弱いので助かってます。といっても一人の利用者宅に複数のヘルパーが入ることが多いので、他のヘルパーと全くの没交渉というわけでもありません。ヘルパー同士で情報交換したり相談しあったりできます。これくらいの関係性が私にはちょうど良いです。

 

ヘルパーをやって困ったこと悩んだこと

仕事内容が重い

特に、入浴の介助や同行援護(外出時の援助)は相当緊張します。かなり場数を踏みましたが、きっとこれからも緊張すると思います。仕事が終わって帰宅するとほっとして、しばらくうずくまって休む時もあります。また、高齢な方が多いため、担当している利用者が入院、死亡することも多々あります。関係が深いほど悲しみやショックも大きいです。私は経験していませんが、訪問先で利用者の死に直面する場合もあります。

 

人間関係のトラブル

「同僚とのいざこざが少ない」と書いたばかりでなんですが......私は利用者とのトラブルで一時休職しました。職業意識が低く考えが甘かったと反省しています。基本的に一対一で対応しますし、様々な方がいるので、常に細心の注意が必要です。ヘルパーの個人的な情報(「お子さんはいくつ?」「どこに住んでるの?」など)を聞いてくる方は多いです。上手にかわして距離感を保ちながら良好な関係を築くのは難しいです。

 

ヘルパーの社会的地位の低さ 

正直、ぴんときていませんでした。しかし、介護福祉士の試験を受けに行った時に初めて思い知らされました。そもそも厳寒期にドーム球場で試験をするという段階で、ひどい扱いじゃないですか? 寒くて寒くて震えながら受験しました。実技試験の際も、たった5分の試験のために半日拘束され、しかも指示に従って椅子から椅子へと移動するのみ。自由に動くこともできませんでした。幸い、私の職場は非常に働きやすく、待遇も悪くありません。しかし、もし、日常もこんな感じの扱いで働かされたら、みじめで心がゆがみそうです。

 

人手不足のしわ寄せ

勤務先の職場環境はとても良好です。それでも人手が足りず、常に新規の仕事に入れないか打診を受け続ける毎日です。断ったからといって不利益をこうむるわけではありません。嫌な顔すらされません。それでも、断ること自体がストレスです。

 

場合によっては人の命にかかわる仕事なので、落ち着いた気持ちで余裕を持って取り組みたいです。しかし、自分の体調が安定しないせいもあって難しいです。休み休みとはいえ5年間勤めてきました。今はいったん辞めて今後のことを考えたいです。

 

見て覚える! 介護福祉士国試ナビ2018

見て覚える! 介護福祉士国試ナビ2018

 

私はこの一冊で介護福祉士試験に合格しました。職場から行かされた講習会では、以下のことを言われました。おかげで気分が楽になり、落ち着いて勉強できたのがよかったのだと思います。

 

・1日2時間、2週間程度勉強すれば合格できる試験

・日本滞在3年の外国人受験生のうち40%が合格している

・とはいえ直前2週間から始めると不安だし集中できない

・気持ちに余裕を持って受験するためには少し前から準備するとよい

・今(2ヶ月前でした)は勉強を始めるのに早すぎず遅すぎずちょうどよい時期。

・問題の8割が過去問またはそれを少し変えたもの

・配点の大きい分野が決まっているのでそこを重点的にするとよい

 

 

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私が訪問介護員2級をとったのは2010年です。市の広報誌に2級ヘルパー養成講座のお知らせが載っていたのを見つけて受講しました。たしか自己負担が2万か3万、研修期間は3ヶ月ほど。市町村振興協会主催の講座で、料金が格安なわりに研修は充実していました。当時、私は細々とはいえ在宅で仕事をしていたため対象になりませんでしたが、失業した人を対象とした、賃金(といっていいのかわかりませんが)を貰いながら無料で受講できる制度もありました。現在はホームヘルパー2級は廃止になり、介護職員初任者研修に変わっています。現在でも、条件があえば求職者支援制度を利用することが可能です。

求職者支援制度のご案内 |厚生労働省

 

無事に資格を取得したものの、いざとなると外に出て働く自信がなく、私の体調(しばらく前に病気をしてました)を心配した家族の反対もあり、実際に求職を始めたのは2年後の2012年です。人手不足もあってか、仕事はすぐに決まりました。当初は調理や掃除を中心に仕事を始め、少しずつ入浴介助や同行援護の仕事も増えていきました。少しずつ自分のペースで仕事に慣れていけたのは幸いでした。勤務先に恵まれていると思います。

 

働き出して3年が過ぎ、受験資格ができたため、介護福祉士を受験することになりました。勤務先主催の講習会(筆記、実技共あり)や模擬試験を受けた上で、本試験に臨みました。結果、合格。受験料は勤務先の補助があり、合格したことで全額返ってきました。この間の経緯はこちらに書いています。

 

介護福祉士受験対策講座に行ってきました

介護福祉士筆記試験受けてきました

ヘルパーの仕事を休職します -

介護福祉士試験に合格しました

 

試験自体の難易度はそれほどではありませんでしたが、家庭の事情や体調不良をおして受験したために相当きつかったです。旧制度で受験できる最終年だったため職場からの要請も強く、無理をしました。結果、直接の原因でないとはいえ、試験後3ヶ月近く休職してしまいました。職場には迷惑をかけましたが、この時に受験していて良かったと思います。新制度では講習時間も長く費用もかかるので、受験できなかったかもしれません。資格取得により少しですが資格手当もつき、経験年数さえクリアすれば介護支援専門員試験の受験資格も取れます。といっても今後受験するかどうかわかりませんが。そもそも、今後もヘルパーを続けるかどうか迷っています。ただ、今後働くことを考える上で、この資格は「お守り」みたいな気持ちでいます。